「美しいもの」を弾いてみたいと思ったことはありませんか?
テレビや映画で静かに流れてくるピアノ曲に、ふと心を奪われたことがある人は多いのではないでしょうか。
それがシューマンの《トロイメライ》だった、ということも珍しくありません。
この曲には、テクニックを誇示するような派手さはありません。
それでも、これほどまでに深く「人の記憶」や「心の奥」を鳴らすような音楽は数少ないといえるでしょう。
「自分には関係ない世界の曲だ」と思っていませんか?
でも実は、《トロイメライ》は大人のピアノ初心者が最初に弾くクラシック曲として、とても現実的な選択肢なのです。
トロイメライとは?|ドイツのロマン主義が生んだ静けさの詩
《トロイメライ(Träumerei)》は、ロベルト・シューマンが書いた《子どもの情景》という作品集の第7曲。
ドイツ語で「夢見ること」「夢想」といった意味をもち、わずか数ページの短い小品ながら、最も愛されているピアノ曲のひとつです。
テンポは遅く、派手な音の動きはありません。音域も広くありません。
しかし、旋律と内声、伴奏がすべて繊細に絡み合う構造をもっており、弾き手の呼吸と心をそのまま音にするような、不思議な力があります。
大人からでも《トロイメライ》は弾ける理由
「ピアノは子どものころに習うもの」と思いがちですが、実際は大人から始めてトロイメライを弾く人は非常に多いのです。
というのも、この曲に必要なのは「速さ」でも「力強さ」でもなく、音の間合いや、やさしいタッチを大切にする気持ちだからです。
テクニックは後からでも身につきますが、音楽に向き合う姿勢や想像力は、大人のほうがむしろ豊かです。
だからこそ、《トロイメライ》は「大人になったからこそ、弾く価値のある曲」といえるのです。
練習方法|トロイメライを独学で弾くための3つのアプローチ
1. 両手ともにヘ長調の音階練習から
《トロイメライ》はヘ長調(Fメジャー)で書かれています。まずは両手でその音階をスムーズに弾けるようにしましょう。
ネットで「Fメジャー 音階 ピアノ」などと検索すれば、指番号つきの図や動画が出てきます。
また、ハノンの39番では実際にトロイメライに近い調性と動きを練習できます。
2. 初歩のバイエル・ハノンで4声部の動きを知る
《トロイメライ》は単なるメロディと伴奏ではなく、4声部が同時に存在するような構造になっています。
つまり、「右手は旋律」「左手は和音」というだけでなく、両手の中に複数の動きを同時に意識する必要があるということです。
そのためには、バイエルの中〜後半、またはハノンの初歩課題を使って、「複数の指で異なるリズムを弾く」訓練をすると良いでしょう。
指が勝手に動くようになることはありません。「頭で分けて、指で意識する」。その訓練がトロイメライには生きてきます。
3. テンポはあえて遅く。長い呼吸で
この曲は、速く弾くことに意味がありません。
一音一音を呼吸するように、長くつなぐことが大切です。
曲の冒頭では、同じリズムのモチーフが繰り返されますが、それらをただ機械的に繰り返すのではなく、微妙に間合いを変えて「語る」ように弾くことを意識しましょう。
上達のコツ|毎日の少しずつが、大きな前進に変わる
ピアノ練習で最も重要なのは、「どれだけ長く練習するか」ではなく「どれだけ頻繁に鍵盤に触れるか」です。
たとえば、
- 毎週日曜に1時間だけ練習する人
- 毎日10分だけ鍵盤に触る人
この2人では、後者の方が音に対する感覚が確実に育ちます。
ピアノは“日常の一部”として取り入れると上達が加速します。
電子ピアノがある方は、朝食の前、仕事のあとなどに少しずつ。リズムではなく「習慣」で音を育てていく感覚が大切です。
音楽教室の選び方|独学が行き詰まったときの頼れる基準
独学で「トロイメライ」に挑戦していて、あるとき「これで合ってるのか?」と不安になることが出てきます。
そんなとき、信頼できる音楽教室があると安心です。
以下のポイントをチェックしてみてください。
通いやすい立地
習いごとは、通いやすさがすべてです。
駅チカであること、または車での通学時に買い物ができるなど「日常動線の中に組み込める教室」が最適です。
明確な料金体系
曜日・時間帯によって料金が変動する教室もあります。
たとえば、名古屋の「ハリーピアノ教室」では、曜日や時間帯に関係なく料金が一律で、仕事帰りにも通いやすいと評判です。
講師の質と表現力
意外に思われるかもしれませんが、「トロイメライをかろうじて弾けるレベルの先生」も存在します。
元保育士や声楽出身の講師もいますが、この曲のように静謐な感情を表現するには、ドイツ的なアプローチに通じたピアノ科出身者が望ましいです。
特に、音の重み・間の取り方・内声の表現にこだわることができる講師を選びましょう。
続けられる仕組みがあるか
レッスンだけで終わってしまうと、どうしても成長の実感が得られにくいものです。
そのため、半年に1回でもよいので発表会がある教室を選ぶのがベストです。
ハリーピアノ教室では初心者でも参加できる発表会を年に2回開催しており、人前で弾くことで得られる「音の説得力」が自然と身につきます。
まとめ|《トロイメライ》は、人生の静けさを奏でる一曲
「トロイメライ」は、速さや技術を競うための音楽ではありません。
むしろ、静かに音と向き合うこと、毎日の練習に耳を澄ますことができる大人だからこそ弾く価値がある曲です。
- ヘ長調の音階を両手で慣らし、
- バイエルやハノンで声部の動きを理解し、
- 一音一音を呼吸のように届ける。
その積み重ねの先に、シューマンが思い描いた「夢のような情景」が現れてくるはずです。
独学に限界を感じたときは、名古屋のハリーピアノ教室で、音の深さと表現を学んでみませんか?
無料体験レッスンも受付中です。
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