1. ドビュッシーの《アラベスク第1番》ってどんな曲?
ドビュッシーの《アラベスク第1番》は、まるで水が流れるような、ふんわりした雰囲気の曲。
聴くだけで、やさしい風や光のきらめきを感じられる、不思議な魅力があります。
でも、いざ弾こうとすると、「手がバラバラに動く!」とびっくりしがち。
だからこそ、コツを押さえてゆっくり練習することが大事です。
2. はじめに意識すること
まずは、練習を始める前に知っておきたい心がまえから。
- あわてない:速く弾かなくて大丈夫!
- 音の流れを大切に:ポツポツ切らずになめらかに。
- 指の力を抜く:力が入ると、ドビュッシーらしいふんわり感が出ません。
焦らず、リラックスして取り組みましょう。
3. 右手と左手の役割を知ろう
この曲では、右手がメロディ、左手が背景を担当します。
- 右手:主役。メロディを美しく、歌うように。
- 左手:脇役。音を消さず、やさしく支えるだけ。
まずは片手ずつ、役割を意識しながら練習しましょう。
4. 【おすすめの練習テンポ】
最初は、とにかく超スローで!
- 【おすすめ練習テンポ】メトロノームで♩=50〜60くらい。
これくらい遅くして、「指の運び」「音の流れ」を体に覚えさせましょう。
いきなり原曲スピードで弾こうとしないで大丈夫です!
5. 【具体的な部分練習方法】
◆ まずは「右手の3小節だけ」
最初の右手(メロディ)を3小節だけ取り出して、
1音ずつ、きれいな音を出すことを意識してゆっくり練習。
【コツ】「音を弾く」ではなく「音を流す」イメージで。
◆ 左手は「コードだけまとめて押さえる」
左手は、まず和音を「まとめて」押さえて確認しましょう。
【コツ】バラバラに弾かず、軽く「ポン」と押さえるだけでOK。
◆ 両手を合わせるとき
両手で合わせるときは、
右手メロディをよく聴き、左手は控えめに支えるだけにします。
ズレても止まらないことが大事です!
6. 【初心者だと、どれくらい練習が必要?】
目安はこちら。
- 毎日15〜20分練習して、1〜2か月
全部をいきなりやるのではなく、
最初は「できるところだけ」でOK!
忙しい日でも5分だけ触るなど、毎日続けることが大切です。
7. 【難所リストと対策】ここでつまづきやすい!
◆ 難所① 冒頭の右手の細かい動き(1〜4小節目)
【理由】指がバタバタしやすい。 【対策】超スロー(♩=50以下)で、1音ずつやさしく弾く。絶対に急がない!
◆ 難所② 中間部(転調するところ/約20小節目あたり)
【理由】調(音の高さの世界)が変わるので、左手が不安定になりやすい。 【対策】左手だけを取り出して、コード感をつかむ練習を。右手はあとから。
◆ 難所③ クライマックス直前の跳躍(約48〜52小節目)
【理由】左手が大きく飛んで、右手も忙しくなる。 【対策】跳躍は「距離感を覚える」ことが大事。目で鍵盤を見るより、手の感覚を頼りに。少しずつ慣らす。
◆ 難所④ 最後の収束(エンディング)
【理由】だんだん音が小さく、柔らかくなるので、つい力を抜きすぎて音が消えがち。 【対策】弱くする=力を抜くではない!やさしく深い音を意識する。
8. 【まとめ】アラベスク第1番は、”音を育てる”楽しさ
《アラベスク第1番》は、「ただ楽譜通りに弾く」だけでは味わえない、
音で風景を描く楽しさを教えてくれる曲です。
うまく弾けなくても大丈夫。
一音一音を「きれいだな」と感じながら育てていけば、必ずあなたらしい《アラベスク》になります。
焦らず、ゆっくり、たのしく。
それがいちばんの近道です!
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