■ 子どもの頃に諦めた「夢の曲」を、大人になって取り戻す

「ピアノ、昔ちょっとだけやってたんです。でも、エリーゼの途中で辞めちゃって…」
そんな言葉を、何度ピアノ教室の現場で耳にしてきたことでしょう。

多くの方が、小学生の頃に1年、せいぜい2年ピアノを習ってやめてしまいます。原因はさまざまですが、「好きな曲に辿り着く前に飽きた」「基礎練習ばかりでつまらなかった」などの声が多いようです。

ですが、大人になってからもう一度ピアノに挑戦し、「子どもの頃に憧れた曲」に本気で取り組む人が増えています。中でも特に人気なのが、ショパンの幻想即興曲です。

実際、「幻想即興曲 大人 初心者」などのキーワードで検索すると、
YouTubeには「40代から始めて幻想即興曲に挑戦してみた」「ピアノ再開から2年で幻想即興曲を弾いてみた」といった動画が多数アップされ、再生数も多く、コメント欄も活気があります。

「無謀だと思ったけど、先生が支えてくれた」
「1年半かかったけど、ついに通して弾けた!」

こうした成功談は、大人のピアノ挑戦者にとって、大きなモチベーションとなるでしょう。


■ 幻想即興曲を弾くための練習方法とは?

幻想即興曲は、冒頭から畳みかけるような16分音符のパッセージが印象的で、まさに「技巧派ショパン」の真骨頂といえる作品です。
その分、勢いだけで弾ける曲ではありません。基礎力がものをいいます。

● 指の安定性と脱力の両立

まず重要なのは指の支え方です。とくに第一関節がつぶれず、鍵盤を下から支えるように保てるかどうか。これができないと、16分音符は「転ぶ」か「滑る」かのどちらかになります。
そしてもう一つ、指が速く動くためには脱力が不可欠です。手首や腕に余分な力が入っていると、スピードが出せません。
このふたつ(支える力と脱力)は矛盾するようで、実は両立させなければならないのです。

● 嬰ハ短調の音階練習はマスト

幻想即興曲の調性は嬰ハ短調(C♯ minor)。シャープが4つのスケールです。
このスケールに慣れていないと、譜読みの段階で混乱しがちです。まずは嬰ハ短調のスケールをハノン(39番)で5分練習するだけでも、脳の混乱がぐっと減ります。

嬰ハ短調(C♯ minor)の音階:

C♯ – D♯ – E – F♯ – G♯ – A – B – C♯(ナチュラル・マイナー)

和声的短音階にすると:

C♯ – D♯ – E – F♯ – G♯ – A – B♯ – C♯

幻想即興曲ではこの和声的短音階(第7音が半音上がったB♯)が使われる場面が多く、右手のパッセージでしばしば登場します。和声的短音階を重点的に練習しましょう。

● 左手の跳躍とオクターブの精度

幻想即興曲の左手は、広い跳躍やオクターブを安定して弾く必要があります。オクターブ練習や、小指の開きに慣れるエクササイズを、ハノンやツェルニーのエチュードで取り入れると、成果が早く出ます。


■ 上達のコツは「練習頻度」と「戦略」

● 毎日5分でもOK、「頻度」が技術を育てる

ピアノに限らず、楽器は「時間」よりも「頻度」が上達を左右します。
週に1回3時間まとめて弾くよりも、毎日15分でも継続するほうが、指は速く、記憶は深くなります。

たとえば、幻想即興曲を弾きたいなら、
・1日15~30分 × 週5回
・全体で3か月~6か月くらいの計画を立てる

これが、社会人でも現実的かつ効果的なペース配分です。

● 譜読みは「声に出して歌う」+「フレーズ単位で覚える」

幻想即興曲のような複雑な曲では、単純な譜読みだけでは指がついてきません。
右手のメロディは声に出して歌い、左手は手の形を意識する。
そして、フレーズ単位で「完璧に弾けるところ」を増やしていくことが、結果的に早道になります。


■ 仕上げにはメトロノームを活用!

幻想即興曲は自由なテンポの変化(ルバート)を含みますが、最終的な完成度は、均等な16分音符のリズム感に支えられます。
特に、冒頭の16分音符パッセージを安定して弾くには、メトロノームでのリズム練習が非常に効果的です。様々な付点リズムパターンで練習すると効果的です。

ポイントは、「ゆっくりから始めて徐々に上げる」こと。
最初は60〜72ぐらいで、焦らず正確に。身体でリズムが取れるようになれば、テンポはあとからついてきます。


■ 音楽教室の選び方〜幻想即興曲を目標にするなら〜

幻想即興曲を目指す大人の生徒にとって、音楽教室選びは「先生ガチャ」とも言えるくらい大切です。以下のチェックポイントを参考にしてください。

● 通いやすさ

駅チカの教室をおすすめします。電車でも車でもアクセスしやすく、雨の日でも通いやすいのは、長く続けるための重要な条件です。

● 料金体系が明確で良心的

教室によっては土日料金や夜間料金が高くなる場合があります。
その点、ハリーピアノ教室では、時間帯や曜日に関係なく、料金が一律。明瞭な価格設定が、通いやすさにつながっています。

● 講師の質と対応力

幻想即興曲を目指すなら、中級〜上級対応の講師が在籍している教室を選ぶべきです。
個人教室では「声楽出身の先生」がピアノを教えているケースもあり、技巧的な指導が不十分なこともあります。

その点、ハリーピアノ教室講師の層が厚く、幻想即興曲など上級向け楽曲の指導経験も豊富。ショパン作品に精通した講師が在籍しており、安心して任せられます。

● 続けられる仕組みがあるか

幻想即興曲を弾きたいと言ったときに、頭ごなしに「無理」と言われてしまうと、モチベーションは一気に下がります。
でも、本当に良い先生なら、現実的なロードマップを描きつつ、一時的にショパンの別の曲(ノクターン20番)を通して技術を育ててくれるはずです。

ハリーピアノ教室では、そうした「段階的に夢を叶える指導法」を実践しており、生徒のやる気を大切にした環境が整っています。


■ まとめ:幻想即興曲は「今こそ挑戦する曲」

幻想即興曲は、ただのテクニック披露曲ではありません。
ショパンの心情が詰まった、ドラマチックな音楽です。
子どもの頃には手が届かなかったこの曲も、大人の知性と継続力があれば、必ず到達できる。

そして、その道のりをしっかりと導いてくれる教室を選ぶこと。これが、夢の実現を現実に変える第一歩です。

幻想即興曲、始めるなら――今です。


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