はじめに
ピアノを弾く人なら一度は憧れる、シューマンの『子供の情景』。
美しいメロディーと、子ども時代の純粋な感情を描いたこの作品は、大人が弾くからこそ深い味わいが出る名曲集です。
今回は、『子供の情景』の魅力と、初心者にもわかりやすい弾き方のコツ、さらに各曲の特徴やおすすめの練習順序まで、たっぷり紹介していきます!
『子供の情景』ってどんな曲?
『子供の情景』は、ドイツの作曲家シューマンが大人になってから作ったピアノ曲集です。
タイトルの通り、子どものころの思い出や空想を、13の短い曲に分けて描いています。
有名な「トロイメライ(夢)」を含むこの曲集は、やさしく聞こえるけれど、心の奥に響く深い世界を持っています。
それぞれの曲には物語がある
13曲それぞれに、短いタイトルがついています。
たとえば、
- 「見知らぬ国と人々について」
- 「不思議なお話」
- 「トロイメライ(夢)」 などです。
このタイトルをヒントに、どんな情景を思い描くかがとても大切です。
シューマンは、音符だけでなく、気持ちを伝えたかったのです。
【各曲の簡単な特徴紹介】
曲名 | 特徴 |
---|---|
1. 見知らぬ国と人々について | おだやかで静かな始まり。やさしく流れるように弾く。 |
2. 不思議なお話 | 少し速めで、ワクワクする雰囲気。軽やかに。 |
3. 鬼ごっこ | 生き生きとしたリズム。子どもが走り回る様子を元気に。 |
4. おねだり | 少し甘えた感じを出して、やさしく弾く。 |
5. 幸せいっぱい | 喜びを素直に表す。明るく軽やかに。 |
6. 重大な出来事 | 重々しく、でも大げさになりすぎないように。 |
7. トロイメライ(夢) | ゆったりと、深い夢を見るように。最も有名な一曲。 |
8. 暖炉のそばで | あたたかく、落ち着いた音を意識。やさしい表情で。 |
9. 木馬の騎士 | 少しおどけた雰囲気。軽快にリズムを刻んで。 |
10. むきになって | シンコペーションを強調しすぎず、しかし正確に弾く。 |
11.とてもおそれて | 音をひそめるように、慎重に弾く。緊張感を忘れずに。 |
11. 子どもは眠る12. 11. 子どもは眠る | 静かでなめらかな音色。子守唄のようにやさしく。 |
13.詩人は語る | 深い感情をこめて、ゆっくり丁寧に。 |
【初心者におすすめの練習順序】
『子供の情景』は曲によって難易度がかなり違います。
いきなり難しい曲に挑戦すると挫折してしまうので、最初は比較的やさしい曲から始めるのがおすすめです!
ステップ1:まずは「トロイメライ」
- ゆったりしたテンポで、技術的に難しい部分はあまりありません。
- ただし、きれいな音を出すのはとても大切なので、じっくり時間をかけましょう。
- 4声部全て独立して歌うように演奏しましょう。
ステップ2:「見知らぬ国と人々について」
- 曲が短く、音もやさしい流れです。
- 左手の動きもシンプルですが、さりげなくベースラインを感じさせる演奏がのぞましいです。
ステップ3:「子どもは眠る」
- やさしく静かな曲で、手もあまり動きません。
- きれいなレガート(なめらかにつなげる)を意識して弾きましょう。
ステップ4:「暖炉のそばで」「詩人は語る」
- どちらもスピードはゆっくりですが、表情づけが大事になります。
- 曲の中で「気持ちをこめる」練習ができます。
ステップ5:「不思議なお話」「幸せいっぱい」
- 少しテンポが速くなりますが、楽しく練習できる曲です。
- リズムを正確にとることを心がけましょう。
弾き方のコツ
コツ① ~スピードを急がない~
『子供の情景』は短い曲が多いですが、あわてないことが大事。
とくに「トロイメライ」は、時間をたっぷり使って弾くと、心にしみる演奏になります。
コツ② ~強弱を大事に~
音の大きさをしっかりコントロールすることで、曲に色や奥行きが出ます。
小さな音にも心を込めて弾きましょう。
コツ③ ~メロディーを歌うように~
メロディーは、指でなぞるだけではなく、声で歌うような気持ちで弾きます。
たとえば、鼻歌を歌うときのなめらかな感覚を思い出してください。
まとめ
『子供の情景』は、子ども時代の夢や感情を音で描いた作品です。
難しいテクニックよりも、気持ちを込めることが何より大切。
まずはやさしい曲からスタートして、少しずつ物語の世界を広げていきましょう。
ピアノを通して、子どものころのピュアな心を思い出してみてください!
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