はじめに:パッド音ってなに?
バンドで使われる「パッド音」とは、シンセサイザーやキーボードで奏でられる、ふわっとした背景の音のこと。主にコード(和音)をゆっくりと持続的に鳴らすことで、楽曲に「空気感」や「奥行き」を与える役割を持ちます。
サカナクションやKing Gnu、くるりなど、現代の邦ロック/エレクトロバンドでは、このパッド音が欠かせません。今回はとくに「サカナクション」を例に、初心者向けにパッド音の作り方をわかりやすく解説します!
1. サカナクションの音楽とパッド音の役割
サカナクションの楽曲は、バンドサウンドと電子音の融合が特徴です。その中で、キーボードが担う「パッド音」は、音楽全体を包み込むような効果を持っています。
特に《新宝島》や《アイデンティティ》のような曲では、パッド音が曲の“空気”をつくる重要な要素になっています。
2. 初心者におすすめの音作りステップ
ステップ①:ソフトシンセを用意しよう
パッド音は、以下のような無料・有料のソフトシンセで作ることができます。
- 【無料】Vital、Surge XT、LABS by Spitfire
- 【有料】Omnisphere、Massive、Serum、Arturia V Collection
まずは無料で始めるなら「Vital」が特におすすめ。日本語の解説も多く、GUI(画面)もわかりやすいです。
ステップ②:波形を選ぶ
パッド音に向いている波形は「サイン波(sine)」や「三角波(triangle)」。これらは音が柔らかく、耳にやさしいのが特徴です。サカナクションのように透明感のある雰囲気を出したいときは、このタイプの波形を使いましょう。
ステップ③:アンプエンベロープで「ふわっ」とさせる
パッド音の命は、「立ち上がりの柔らかさ」。
アンプエンベロープの Attack(アタック) をゆっくり(500ms以上)に設定して、徐々に音が大きくなるようにしましょう。
Release(リリース) を長めに設定すると、音が自然にフェードアウトして、余韻が残ります。
ステップ④:エフェクトで空間を演出
パッド音は、リバーブ(残響)やディレイ(やまびこ)を使って、空間に広がる音にするのがポイントです。
特に「プレートリバーブ」や「ホールリバーブ」が効果的。ディレイは控えめにかけると、音が濁らずに済みます。
3. サカナクションっぽくするためのテクニック
・フィルターを動かす
パッドにローパスフィルター(高音を削る)をかけて、LFOでゆっくり揺らすと、サカナクションのような“うねる空気感”が出せます。
・ステレオの広がりを作る
「ステレオイメージャー」や「ユニゾン機能」を使うと、音が左右に広がって、より幻想的な雰囲気に。
・リアルタイムで操作する
ライブでの使用を想定するなら、MIDIキーボードのノブやフェーダーを使って、リアルタイムにフィルターやエフェクトを操作すると、表現力が格段にアップします。
まとめ:パッド音がバンドの世界観をつくる
サカナクションのように「空気を操る」サウンドには、パッド音が欠かせません。
キーボード初心者でも、無料のソフトシンセや基本的な操作で、魅力的なパッド音を作ることができます。
まずは一音一音、音の広がりを感じながら作ってみましょう。音作りそのものが、バンドサウンドの個性になります!
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