「音がきれい」だけではない、“ショパンを弾けるようになる”という目標
ピアノを始めた大人の方が、ある日ふとショパンの《別れのワルツ》に出会い、
「いつか自分の指でこの曲を奏でてみたい」と思うのは自然なことです。
この曲の旋律には、どこか懐かしく、切なく、そして気品がある——。
そんな音の余韻が、自分の手から出たらどんなに素敵だろうと思ったことはありませんか?
確かにショパンは難しい。ですが、《別れのワルツ》は、構成が明快で、一部を切り取って練習しやすい曲でもあります。
そして、初心者でも表現豊かに弾けるポテンシャルを秘めた一曲なのです。
《別れのワルツ》とは?|切なさと優雅さを両立させた名曲
この曲は正式には《華麗なるワルツ 第9番 変イ長調 作品69-1》。
通称「別れのワルツ」は、ショパンがこの曲を当時の恋人マリア・ヴォジンスカとの別れに際して捧げたという逸話に由来しています。
構成は三部形式(A–B–A)で、冒頭は抒情的なメロディが展開し、中間部ではやや感情が高まり、そして再び静かに終わります。
まるで「感情の記録」のようなこの曲は、ショパンの感性と構成力が凝縮された名品です。
大人の初心者でもショパンに挑戦できる理由
「ショパンなんて、プロのもの」「手が小さいから無理」
そんな声をよく聞きますが、それは“完璧に”弾こうとするからです。
ショパンに求められるのは、「速さ」や「力」ではなく、音色へのこだわりと繊細な動き。
これはむしろ、大人の感受性が活かせる分野でもあります。
実際、《別れのワルツ》の冒頭部分は、鍵盤の動きが比較的素直で、構造を理解しながら取り組めば十分に形になります。
練習方法|左手の移動と右手の減七アルペジオをどう攻略するか
右手:音階練習+減七和音のアルペジオ対策
この曲は変イ長調(A♭メジャー)ですので、まずは右手のスケール練習を。
おすすめはハノン39番。変イ長調スケールに慣れ、黒鍵を含む指使いを安定させることが基礎になります。
次に注目すべきは、中間部などに現れる**減七のアルペジオ(たとえば G–B♭–D♭–E のような構成)**です。
これらのパッセージは、「一気に転がす」ような速さで出てくるのではなく、しっかりと指の独立性と方向感覚を伴って弾くことが重要です。
攻略ポイント:
- 指くぐり(特に親指と中指)のタイミングを明確に意識する
- アルペジオ全体の「山」を描くように弾く(音の重心と流れを意識する)
- 先に構成音を和音で押さえて、耳と指に“音のまとまり”を覚えさせる
アルペジオが「指の運動」ではなく、「和音を分解している」という感覚をもつことが鍵になります。
左手:小さな跳躍に見えて、実は難しい“間の感覚”
左手の動きは、オクターブ跳躍のような派手さはありませんが、同じ小節内でのポジション移動が細かく、安定した音を出すには難易度が高いです。
たとえば、和音のルートと3度や5度を細かく行き来する場面では、
- 和音ごとの手の「型」を素早くセットする
- 音を間違えず移動するために先読みの目線と感覚をつける
ことが重要になります。
初心者は、「左手が小さいから」「距離が短いから」と油断しがちですが、こうした地味な移動の精度が演奏の品位を決めるのです。
上達のコツ|“たまにしか弾かない”より、“毎日10分”のほうが強い
ピアノは、練習の量よりも、練習の頻度が効果に直結します。
1日10分でも構いません。
鍵盤に触れる時間を、日常の中の習慣として組み込むことが、表現力と技術を育てる最短ルートです。
練習のポイント:
- 「今日はここだけ」と、毎日1フレーズずつ分けて練習
- 同じ箇所を異なるニュアンスで何度も弾く
- 休符や終止の「間」も表現の一部として意識する
電子ピアノの人へ|たまには生ピアノの響きに触れてみよう
自宅で電子ピアノを使っている方にとって、最大の悩みは音色やペダルの感触が本物と異なるという点です。
特にショパンのように、「音の濁り」や「余韻の透明さ」で音楽が決まる曲では、
生ピアノ(できればグランド)に触れることでしか得られない感覚があります。
おすすめは、地域のピアノスタジオを短時間レンタルすること。
最近では、
- 夜の時間帯
- 平日の空き枠
などを狙えば、1時間あたり800〜1,200円程度で生ピアノが弾けるスタジオも多くあります。
これはカラオケ代と同等か、むしろ安いくらいです。
「自分の音って、こんなに響くんだ」と感じる体験は、表現力のトレーニングにもなります。
音楽教室の選び方|ショパンを学ぶなら講師選びが肝
独学に限界を感じたら、音楽教室でプロの指導を受けるのが効果的です。
ただし、以下の点には注意しましょう。
通いやすさと生活導線
駅からの近さ、または買い物と一緒に寄れる立地。
「通うのが面倒にならない場所」が、教室選びで最も重要です。
料金体系の明確さ
名古屋のハリーピアノ教室では、曜日・時間帯を問わず一律料金のため、忙しい大人にも安心して通えます。
講師の専門性
「ショパンを実際に弾けない講師」がレッスンしている例もあります。
とくに表現の繊細さが求められるショパンでは、ロマン派の音楽に精通したピアノ科出身の講師が理想的です。
音色の操作、ルバート、テンポのゆらぎ。
これらを的確に導いてくれる先生であれば、初心者でもショパンに手が届きます。
発表会の機会があるか
ハリーピアノ教室では年に2回の発表会が設けられており、初心者でも参加しやすい雰囲気。
人前で弾く経験こそが、音楽を音楽たらしめる重要なステップです。
まとめ|別れのワルツは、ショパンとの出会いの一歩
《別れのワルツ》は、難しくもあり、美しくもあり、
そして自分の内面と向き合える曲です。
- 減七和音のアルペジオ
- 控えめながら難しい左手の移動
- 表現力と繊細な音のバランス
これらを少しずつ体に覚えさせることで、音楽が確実に“自分のもの”になっていきます。
独学でも道は開けますが、もし悩んだときには、名古屋のハリーピアノ教室があなたのショパンへの挑戦をしっかり支えてくれるでしょう。
まずは無料体験レッスンから、音の旅を始めてみませんか?
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